Meta、最先端のオープンソースの次世代大規模言語モデル「Meta Llama 3」発表

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2024/04/23 09:00
  • Metaは、最先端のオープンソースの次世代大規模言語モデル「Meta Llama 3」の最初の2モデルを発表した。
  • Meta Llama 3は、幅広いユースケースをサポートできる8Bと70Bのパラメータを持つ、事前学習済みで、インストラクションファインチューニングされた言語モデルを特徴としている。
  • Meta Llama 3を活用した最新のMeta AIは、無料で使用できるもっとも賢いAIアシスタントで、Metaが提供するプラットフォームのフィード、チャット、検索などで、アプリを離れることなく利用することができる。
  • Meta AIの画像生成がより高速になり、入力と同時に画像が生成可能となった。たちえヴぁバンドのアルバムアートワーク、自室インテリアのインスピレーション、カスタムGIFアニメーションなどを作成することができる。

 Metaは、次世代のLlamaであるMeta Llama 3の最初の2モデルを発表した。これらのモデルは、幅広いユースケースをサポートできる8Bと70Bのパラメータを持ち、事前学習済みであり、インストラクションファインチューニングされた言語モデルを特徴としている。この次世代のLlamaは、広範な業界ベンチマークで最先端の性能を実証するだけでなく、推論の改善を含む新機能を提供。Metaはオープンなアプローチを支持し、Llama 3をコミュニティの手に託している。

Llama 3で目指すゴール

 Llama 3では、現在利用可能な最高のプロプライエタリ・モデル(クローズドモデル)に匹敵する最高のオープンモデルを構築することを目指している。Llama 3の全体的な有用性を向上させるために、開発者からのフィードバックに取り組みたいと考えており、大規模言語モデル(LLM)の責任ある活用と展開において、主導的な役割を果たし続けることを目指している。

 また、コミュニティが開発途中のモデルにアクセスできるようにするために、早期かつ頻繁にリリースを行うというオープンソースの理念を採用している。 今回発表したテキストベースのモデルは、Llama 3コレクションの最初のモデル。Metaの近い将来の目標は、Llama 3を多言語かつマルチモーダルにすることや、より長いコンテクストを持つこと、推論やコーディングといったLLMの中核的な機能全体のパフォーマンスを継続的に改善すること。

Llama 3のその先

 Metaは、オープンなAIエコシステムの持続的な成長と発展に注力しており、弊社のモデルを責任をもってリリースすることに注力している。Metaはこれまで、オープンであることがより良い、より安全な製品、より迅速なイノベーション、そして市場全体の健全化につながると信じてきた。MetaはLlama 3をコミュニティ・ファーストのアプローチで展開しており、主要なクラウド、ホスティング、ハードウェア・プラットフォームで利用可能。また、今後さらに多くのプラットフォームが登場する予定。

 今回発表したMeta Llama 3で構築されたMeta AIは、AIアシスタントで、より多くの機能を備え、グローバルに展開を始めていう。Facebook、Instagram、WhatsApp、MessengerでMeta AIを使い、用事を片付けたり、学んだり、創造したり、大切なこととつながったりすることができる。昨年のMeta Connectで初めてMeta AIを発表したが、今では世界中のより多くの人々が、これまで以上に多くの方法でMeta AIと対話できるようになった。

 アメリカ以外の十数ヵ国で英語版のMeta AIを展開し、オーストラリア、カナダ、ガーナ、ジャマイカ、マラウイ、ニュージーランド、ナイジェリア、パキスタン、シンガポール、南アフリカ共和国、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエで提供を開始する。

Meta AIを活用するさまざまな活用ケース

 たとえば初めてのアパートに引っ越す際、Meta AIに目指す美的感覚を「Imagine」してもらうと、家具を買うためのインスピレーションとなる写真を生成してくれる。

 また、コンピューター上でMeta AIを利用できるようにするため、ウェブサイトで利用できるmeta.aiを公開した。たとえば、数学の問題で悩んでいたり、仕事のメールをもっとプロフェッショナルなものにしたかったりするときに、Meta AIがサポートする。ログインをすると、Meta AIとの会話を保存することもできる。

いつものアプリを統合し、シームレスに検索が可能に

 Meta AIは、Facebook、Instagram、WhatsApp、Messengerの検索でも利用できる。アプリ間を切り替えることなく、リアルタイムの情報にウェブ全体からアクセスすることが可能。たとえば、Messengerのグループチャットでスキー旅行を計画しているとする。Messengerの検索を使用することで、Messengerアプリから離れることなく、Meta AIにニューヨークからコロラドまでの航空券を探してもらうことや、混雑していない週末を調べてもらうこともできる。

フィードのMeta AI 

 Facebookのフィードをスクロールしているときにも、Meta AIにアクセスすることができる。気になる投稿についてMeta AIに質問してみると、その投稿をもとに、Meta AIに詳細情報を質問することができる。たとえば、アイスランドのオーロラの写真を見つけたら、Meta AIにオーロラを見るのに最適な時期を尋ねることが可能。

Meta AIのImagine機能で創造力をかき立てる

 画像生成を7倍高速化したことで、Meta AIのImagine機能を活用するとリアルタイムでテキストから画像を作成できるようになった。本発表よりアメリカで、ベータ版をWhatsAppとMeta AIのウェブ版で提供開始する。

 さらに、文字を入力し始めるとすぐに画像が表示され、数文字入力するごとに画像が変化するため、思い描いているものをMeta AIがイメージ化してくれる。

 生成される画像はより鮮明で高品質になり、画像にテキストを追加する機能も向上した。アルバムのアートワークから、結婚式のウェルカムボード、誕生日の飾り付け、ファッションのアイデアまで、思い描いているものをMeta AIはイメージ化し、これまで以上に素早く高品質に生成することができる。さらに、画像を変更するための便利なプロンプトも表示されるため、最初のスタートポイントから何度も作成することが可能。

 さらにMeta AIにお気に入りの画像をアニメーション化することを依頼したり、新たなスタイルで反復させたり、GIFにして友達と共有したりすることもできる。

 Meta AIは、大規模言語モデルであるLlama 3を搭載しており、これまで以上に優れている。今回のアップデートは、Facebook、Instagram、WhatsApp、Messenger、およびのMeta AIウェブ版の機能に関連しているが、アメリカではRay-Ban Meta スマートグラスでもMeta AIは利用可能であり、今後Meta Questにも搭載される予定。数週間以内に、さらに多くの情報を発表する予定。なおMeta AIは現在日本では利用できない。